ネトデラ

ネトデラ

ネトデラ(Melee Netplay)とは、PC上で動作するGCエミュレータを用いたスマブラDXのネット対戦手段である。
エミュレータ「Dolphin(ドルフィン)」は、Windows,Mac,Linuxに対応。
スマブラDX界隈ではDolphinをカスタムしたエミュレータ「Slippi」が主に使用される。

2020年6月、「Slippi Online」が登場しネトデラの性能が格段に向上した。
これまで主流だった「Faster Melee」シリーズ同様、Dolphinに調整を加えたカスタム版エミュレータとなっている。

低遅延での安定した対戦
ロールバック形式ネットコードを採用したことで、以前よりも要求する回線環境が緩くなり、海外との対戦も問題なく可能となった。
オンラインの遅延(ディレイ)はデフォルトで2F存在するが、Slippi自体の内部遅延がGC実機より小さいため、相殺して実機並みの操作感となっている。

ロールバックネットコードの詳細
更新復帰ネットコードともよばれるネットコード(相手との同期をとる通信方式)。
いわゆるラグ(パケット遅延,パケットロス)が発生したときに、以前のネトデラ(や多くの対戦ゲーム)はスローになったりカクつくことで対応していた。
Slippiはロールバックを導入したことでプレイ感が劇的に向上し、また広い範囲,高pingの相手との対戦が可能になった。

ロールバックとは、スローやカクつきの代わりに「相手の動きを予測してゲームを進行」することで、ゲームスピードを落とすことなくラグを解決する方法。
予測が外れた場合は相手の挙動が不自然になる(ワープする、攻撃ヒットエフェクトが出てからキャンセルされるなど)が、大抵は予測が当たるので気づきにくくなっている。
相手キャラが多少ロールバックした場合にも自分の操作にはラグは発生しないので、操作に影響が出にくくなっている。
基本的に先行入力ができず、少しの遅延やラグが命取りとなるDXに非常に噛み合っているネットコード。

解説動画1(Killer Instinct 開発者による解説)
Talking Netcode With Adam "Keits" Heart

解説動画2(Slippi Online公開に伴う解説動画)
How to Set Up Slippi Online - YouTube

ランダム対戦機能が追加
オンラインの対戦相手探しが、ソフト自体で完結できるようになった。
通称「ガチ部屋DX」と呼ばれている。現在はレーティングなしのランダム対戦のみが実装されていて、ランクマッチは今後追加予定とのこと。
アイアンマンチャレンジという全キャラ1勝RTAも存在する。

Slippiリプレイシステム
ただ対戦するだけですべての対戦が記録されていく。
リプレイは録画ではなく、他のゲームでもよく見られる「入力保存→再生」形式だが、入力以外にも内部数値を大量に格納しているのが特徴。
これは再生せずとも試合内容が解析できるという特徴につながっており、プログラムによる一括処理によってコンボ動画作成などが可能。

Slippiリプレイに対応したソフトを使用して、自動コンボ抽出やOBSなどの連携が可能。
代表的なものにProject Clippiが存在する。

自動アップデート
最新版が公開されるとSlippi起動時にアップデートボタンが表示される。全自動でアップデートを行うことができる。
非常に便利だが、たまにアプデに失敗してバグるのでその時はインストールし直すと改善する。


Slippiという名前やカエルのアイコンはスターフォックスシリーズのスリッピーに由来している(元のスペルはSlippy)

ネトデラ/導入方法

ハックWiiを用いてディスクからROMを吸い出し、PC上にインストールした「Dolphin」エミュレータでROMを起動する。
あとはDolphinの機能を使ってネット対戦を行う。
GCコントローラは、WiiU/Switch用のコンバータをPCに接続することで利用可能
他のUSB/無線コントローラでも大体の操作は可能だが、LR深押しやボタン配置、入力の再現性においてGCコンが最適。

初期(2014年頃)は要求スペックも高かったが、PCスペックの向上に伴い、ゲーミングPCではなくとも動く程度の負荷になっている。
このため導入へのハードルが下がり、国内人口も増えつつある。

クリックで展開
エミュレータの利用自体は合法、またROM吸い出しは私的利用の範囲に入ると考えられている。

正確には、日本においてはいわゆるグレーゾーンとなっている。
国内でゲームキューブのロム吸い出しに関する事例(判例)が存在していないため、どちらともいえない状態。

任天堂は、freemelee騒動のように極端に権利を侵害したときは動くが、
一方で個人利用レベルの吸い出し、ハックやエミュ関係(特に旧世代のゲーム)は黙認する傾向にある。
(ロム吸い出し~改変を厳密に取り締まるとGCのTAS製作者,一部RTA用ハックなども合わせてアウトになるなど影響が非常に大きくユーザーの権利を損なう)
DXの事例ではないが、「スマブラSPのゲームバランス改変ハックロム作成」という影響の大きい件に対しても、まず警告文を送って開発中止させるにとどまり、即座に法的手段をとる方針ではない。

任天堂は、Slippiを使った大規模かつ賞金付きである大会「TBH Online」にはストップをかけた。→freemelee騒動
しかしSlippi自体はそのまま黙認が続いていることからも、任天堂としてはハックの存在は黙認するが、あくまで個人利用レベルでしか認めないという立場のようだ。

なおTBHの中止理由は「ロムが違法コピーだったから」とされているが、任天堂側が参加者のロム取得経緯を把握できるはずもなく不可解な理由となっている。
推測される実際の理由は、単純に「半公式大会でエミュはダメ」というもの。しかし、エミュもハックも米法律上はセーフ1)なので、大会の強行を止めるためにロムのグレー度合いに触れざるを得なかったと考えられる。
また「根拠はないが違法コピーがあったと言い張る」ことで余波を残さずに2)TBHだけを中止させ、双方に余計なダメージがないようにしたと考えることもできる。(その結果FreeMeleeに繋がり炎上したが)

日本の法律上は、ネトデラは「グレー、黙認状態」。
法律上白であっても任天堂は権利者として圧力をかけることはできるため、「任天堂次第」なのは変わらない。
黙認状態が継続していることから、「これまで同様の個人利用レベルの規模で/金銭が絡みすぎないようにやる」ことのリスクは大きくはない(どのみち自己責任だが)。

ネトデラ導入の際は、ロムは必ずWiiを使って自分で吸い出すこと。
怪しいサイトからDLしたり、メールやファイル共有サービスなどによるロムの受け渡しは当然アウトである。


1)
米では裁判でエミュ側が勝った判例が複数存在しているため、ロムを自分で吸い出せば合法とされる(判例があるためグレーではなく白
2)
任天堂が絡んでいない、小~中規模のネトデラ大会は黙認を維持したまま
  • 最終更新: 5カ月前